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ブレーキフルードとは?交換時期や費用相場などのポイントを徹底解説
2023年09月15日
ブレーキフルードとは、油圧式ブレーキの内部を満たしているオイルです。
ブレーキオイルとも表現されている部分で、安全に運転するには性能や交換方法を理解しておく必要があります。
そこで本記事では交換方法や費用相場、注意点などを紹介します。
ブレーキフルードを交換するタイミングなど、1つの判断基準に役立ててください。
ブレーキフルードとは
ブレーキフルードとは、ブレーキオイルと呼ばれる油圧式ブレーキの内部を満たしているオイルです。
ブレーキペダルを踏むと油圧の力によってペダル踏力が増幅するので、自動車の停止をサポートする役割があります。
つまり、強く踏み込まなくても停止できる仕組みになっているのです。これが真空倍力装置です。
またブレーキフルードは、下記の点を理解しておく必要があります。
・種類と規格の違い
・定期的な交換が重要
順番に紹介していきます。
1.種類と規格の違い
ブレーキフルードの種類は、大きく分けて3種類あります。
種類 | 使用場面 | 特徴 |
グリコール系 | 一般的な車種で採用 | 吸湿をしても沸点が高い |
シリコール系 | レース用やハーレーなど | 沸点が高く低粘度。吸水性は低い |
鉱物油系 | 欧州車やブルドーザーなど | 現在、建設現場以外ではほとんど使われていない |
また、DOT(Department Of Transportationの略)と呼ばれる規格があります。
米国自動車安全基準で定められたもので、日本でいうJISと同じような規格です。
規格 | ドライ沸点 | ウエット沸点 | 使用車 |
DOT3 | 205℃以上 | 140℃以上 | 小中排気量の軽量車 |
DOT4 | 230℃以上 | 155℃以上 | 大半の欧州車 |
DOT5 | 260℃以上 | 180℃以上 | 寒冷地用やスポーツ走行用 |
上記のドライ沸点は新品状態の数字で、ウエット沸点は1〜2年経過時のものです。
スポーツ走行をするわけではないなら、基本的にDOT3かDOT4のどちらかで問題ありません。
2.定期的な交換が重要
ブレーキフルードは、定期的に交換しないと劣化します。
劣化が原因で大事故に遭ってしまう恐れがあるため注意が必要です。
長期間交換せずに使用していると、吸湿性が落ちて沸点が低くなります。
ブレーキからの熱が沸点を超える温度になってしまい、ペダル踏力の伝達が阻害されるのです。
「ベーパーロック現象」と呼ばれるもので、劣化したブレーキフルードにより、ブレーキがかからず事故を引き起こす可能性があります。
ブレーキフルードの劣化は、自然に改善されるものではないので、定期的な交換をしましょう。
ブレーキフルードを交換すべきタイミングとは?
定期的な交換がブレーキフルードですが、適切なタイミングで交換する必要があります。
ここからは、ブレーキフルードの交換頻度や判断基準について紹介します。
1.交換頻度
ブレーキフルードの一般的な交換頻度は、2〜4年です。
前述したスポーツ走行するシリコール系であれば、1年前後での交換を検討してください。
普通乗用車のほとんどは、メーカー指定のもので2〜4年に1回ずつ交換しておきましょう。
交換や点検を怠ってしまうと、大事故に遭ってしまう恐れがあるため危険です。
2.判断基準
ブレーキフルードは、ボンネット内部にあるリザーバータンクで確認できます。
新品のブレーキフルードは、薄いあめ色のような黄色になっていますが、使用期間が長くなると濁った茶色へ劣化します。
また、タンクの残量にも注目しましょう。
タンクの下限よりも残量の水位が低い場合、単純にオイルが減っているか、漏れ出ているなどの可能性が考えられます。
早めに交換や点検などを検討してください。
オイルやブレーキ関係に異常がある場合、ブレーキ警告灯が点灯します。
何かしらのトラブルが起きている合図のため、運転中に点灯した場合、安全な場所に停車させ確認してください。
交換するときに気をつけたいポイントとは?
ブレーキフルードを交換する際の注意点について、下記のポイントから紹介します。
・交換費用の相場は
・セルフで交換は可能か
・パッドの交換も検討を
順番に紹介していきます。
1.交換費用の相場は
ブレーキフルードの交換費用は、本体代と業者に依頼した際の工賃の2種類あります。
本体代は、一般的に1リットルあたり2,000〜5,000円で販売されています。
交換工賃は、ディーラーや整備工場などによって異なりますが、約4000〜5,000円です。
つまり、本体代と交換工賃をセットで依頼した場合の相場は、約1万円です。
あくまで上記の価格は目安になるので、業者へ依頼する際は事前に確認しておきましょう。
2.セルフで交換は可能か
ブレーキフルードの交換は、セルフで交換できるものの、手間や危険がともなうので注意しましょう。
また、交換作業にはフレアナットレンチなどを含めた特殊な工具が必要です。
ブレーキフルードの交換では、エア抜きをする作業が必要です。
エア抜き作業が十分にできていないと、前述したベーパーロック現象が起きてしまいます。
つまり、コスト面が気になってもブレーキフルードは重要な部分なので確実なメンテナンスを実施しましょう。
3.パッドの交換も検討を
ブレーキフルードを交換するタイミングでは、ブレーキパッドなどのブレーキに関する消耗品を交換する必要があります。
車の運転は、ブレーキパッドも摩擦で減っていくためです。
ブレーキパッドが消耗したままだと、正しくブレーキの力が作用しないため危険です。
ブレーキに関する部品は、大事故を防止するために欠かせないものなので、しっかりと点検して不安を解消しましょう。
まとめ
今回はブレーキフルードの概要や交換のタイミング、注意点などを紹介しました。
ブレーキフルードが劣化したままだと、最悪の場合ブレーキが効かず、大きな事故に遭ってしまう恐れがあります。
交換時期は、フルードの色や残量などで判断ができます。
しかし、車検などの定期的な点検まで心配な方は、一度お近くの業者へ依頼しましょう。