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下り坂でブレーキが効かない原因とその対処法について詳しく解説!
2023年12月20日
山道を走るときに危険なのは、ブレーキが効かず制動力を失っているときです。
制動力を失うと、一歩間違えれば大事故にもなりかねなません。
車の基本性能のうち一番重要な機能が「止まる」です。
しかし、ブレーキが効かなくなってしまい事故に至るケースは今でも年間数十件発生しています。
この記事では、下り坂でブレーキが効かない原因と予防方法を中心に解説します。
合わせて、実際にブレーキが効かないときの対処法についても紹介するので参考にしてください。
下り坂でブレーキが効かない原因と予防法
日頃からブレーキの状態を確認しているにもかかわらず、運転に仕方によってはブレーキが効かなくなってしまうケースがあります。
ブレーキが効かなくなる原因としては以下の2点です。
・フェード現象
・ベーパーロック現象
具体的に、それぞれの現象や予防法について解説します。
フェード現象
フットブレーキに頼り過ぎて制動力が落ちてしまい、事故につながる可能性があります。
この制動力が落ちる現象を「フェード現象」と呼び、特に下り坂で発生する可能性が高いです。
ブレーキの素材である摩擦材が熱を帯びることが原因で起こります。
熱を帯びると、使用されているゴムや樹脂の耐熱温度を超過しガスが発生します。
そのガスの塊が潤滑剤になり摩擦力が低下すると、制動力が劣ってしまい危険性が高まるため注意が必要です。
そのため、フットブレーキを踏むときは、強く短く踏むと安心です。
フェード現象を防止するには、エンジンブレーキでの減速を心がけましょう。
フットブレーキの使用回数を抑えられ、フェード現象を予防できます。
エンジンブレーキは、エンジンが元の回転数に戻ろうとする動きにより、自然な制動力が発生します。
エンジンブレーキをかけるときは、ギアチェンジをするとかかるため覚えておきましょう。
ベーパーロック現象
ブレーキが効かない状態にもかかわらず、フットブレーキを踏み続けても車は止まりません。
この現象を「ベーパーロック現象」と呼び、ブレーキが効かない状態となってしまいます。
摩擦熱がブレーキオイルに伝わり沸騰し、ブレーキホース内に気泡ができます。
つまり、泡が邪魔をするため、ブレーキペダルを踏んでも正しい制動力が発生しません。
ブレーキペダルを踏んでも、気泡を潰す力になってしまいます。
ブレーキオイルに伝わらず、制動力を失った状態のためとても危険です。
ベーパーロック現象を防止するためには、ブレーキオイルの定期的な交換が重要です。
ブレーキオイルの交換を怠ると、経年劣化で空気中の水分を吸収し沸点が低下します。
ベーパーロック現象を発生させる可能性が高まります。
また、定期点検などでブレーキの点検を依頼し劣化の早期発見をしましょう。
フェード現象の防止とともに、エンジンブレーキでの減速方法も覚えて実践してください。
下り坂でブレーキが効かないときはどうする?対処法3選
運転中に突然ブレーキが効かなくなると、パニックになってしまうのは仕方ありません。しかし、アクシデントが発生したときこそ落ち着いて対処することが大切です。
対処法は以下の3点です。
1.まずはエンジンブレーキを使用
2.とにかくエンジンを冷やす
3.それでも止まらない場合
詳しく解説します。
1.エンジンブレーキを優先的に使う
ブレーキが効かないと感じたら、フットブレーキ以外で減速します。
勾配が激しい坂道であれば、エンジンブレーキが特に有効です。
まずは、エンジンブレーキをかけます。
マニュアル車の場合はゆっくりとシフトダウンします。
この際注意するのは、1速ずつ減速するのを確認しながらシフトダウンしてください。
マニュアルモードが付いているオートマ車の場合は、マニュアル車と同じ要領です。
マニュアルモードが付いていないオートマ車は、オーバードライブスイッチをOFFにし、1段ギアを落とします。
続いて2→Lとシフトダウンしていきます。
2.ブレーキの熱を冷ます
フェード現象やベーパーロック現象が起きてしまったら、とにかくブレーキを冷やすしかありません。
理想は、ゆっくりと走行しながら、自然の風で冷やす方法です。
しかし、この方法は理想論であって実際はほぼ不可能でしょう。
その理由は、制動力が劣るのは坂道を走行しているときに発生するためです。
坂道で速度を落とすにはブレーキを使用するしかないため、理論は実現できず本末転倒です。
結論は、脇道や路肩に停車し、元の温度に戻るまでゆっくりと休ませて熱を冷ましましょう。
高速道路では停車させるのは難しく、危険がともないます。
まずは、ハンドブレーキ(サイドブレーキやパーキング)を活用して徐々に減速させましょう。
そして、サービスエリアなどで30分程度車を休ませてください。
3.ガードレールにボディを擦りつける
それでも止まらない場合は、最終手段です。
ガードレールやガードロープにボディを擦りつけて減速させるか、急な坂道が連続して続く道路脇に設けられている緊急退避所を使うしかありません。
しかし、どちらを選んだとしても高い危険性をともなう方法です。
特にガードレールにボディを擦りつける方法は、横転する危険もあるため、そのあとの経済的損失は大きいでしょう。
緊急退避所に飛び込んだ場合はエアバッグが出てくる可能性は否めません。
そのため、JAFやレッカー車の手配が必要です。
また、電柱や他車との接触事故を起こしてしまった場合には警察などへの連絡も必要です。
まとめ
坂道ではとにかくスピードを抑え、エンジンブレーキを活用した減速方法が適切です。
下り坂でブレーキが効かないと、大事故につながる可能性があります。
そのため、適切なブレーキングを心がけましょう。
また、ブレーキオイルやブレーキ各所の劣化も原因です。
日頃のメンテナンスも欠かさないようにしましょう。