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ブレーキフルードとは?役割や特徴、劣化の見分け方などを紹介
2024年04月08日
ブレーキフルードはブレーキオイルとも呼ばれるもので、エンジンオイルと同じく正常な運転には欠かせないオイルです。
しかし、エンジンオイルは知っていても、ブレーキフルードは聞いたことがないという方も多いかもしれません。
ブレーキフルードはブレーキ性能に欠かせないオイルであり、劣化などを放置するとブレーキが利かなくなることもあります。
ここでは、ブレーキフルードの役割や特徴、劣化の見分け方などを詳しく掘り下げていきます。
ブレーキフルードの役割
ブレーキフルードの役割は、ブレーキペダルを踏んだ力を他のブレーキ装置に均等に伝達することです。
ブレーキペダルを踏むと車は止まりますが、そのシステムにはブレーキパッドやブレーキキャリパー、ブレーキローターなどさまざまな部品が使われており、それぞれが働くことで停車できます。
ブレーキフルードは、これらの油圧系統の部品に制動力を伝える役割をしています。
そのため、不足していたり沸騰したりすると、部品に制動力が伝わらなくなり、ブレーキが正常に働かなくなってしまうのです。
ブレーキフルードの特徴
ブレーキがかかるときには、ブレーキディスクとブレーキパッドの摩擦によって高熱が発生するため、ブレーキオイルには200℃でも沸騰しないことが求められます。
また、寒冷地など寒い地域でも正常に油圧系統に作用しなければいけないので、-50℃でも凝固しないということも求められます。
その他、スムーズに制動力を伝達するため、粘性が低いこと、圧力によって体積が変化しないことなどの条件も求められますが、ブレーキフルードはこれらの条件を全て満たしているのが特徴です。
ブレーキフルードの劣化の見分け方
ブレーキフルードの劣化は、色で見分けることができます。
新しいブレーキフルードはほぼ無色透明ですが、劣化をしてくると黒に近い茶色になったり濁ったりするので、一目瞭然で劣化が分かります。
ブレーキフルードはエンジンルームにあるので、劣化をチェックする場合はボンネットを開けて、リザーバータンクで変色の度合いを確認してください。
ブレーキフルードの交換時期
ブレーキフルードは、吸湿性を持ったオイルなので、車を動かすか動かさないかに関わらず、空気中の水分を吸湿するため劣化します。
また、長期間動かしていないと、ブレーキシステムが錆びてしまい、腐食した部分からオイルが漏れる可能性もあります。
いずれにしても適切なタイミングで交換をしないと、ブレーキトラブルが起こるリスクもあるので、交換時期をチェックしておきましょう。
交換は車検時が基本
ブレーキフルードの寿命は、一般的に2年ほど、長くても4年といわれています。
そのため、車検時に交換してもらうのがベストです。
交換は義務ではありませんが、普段自分でメンテナンスをしないという方の場合、交換のタイミングを見逃してしまうこともあるので、劣化しているかどうかに関係なく、車検のときに交換してもらうと安心です。
ブレーキフルードの交換費用について
ブレーキフルードの価格は規格やグレードによって異なりますが、安いものでは1Lあたり1,000円から、高性能なものになると3,000円から5,000円とかなり高額になります。
工賃も整備工場やディーラーごとに違いますが、カー用品店や小規模の修理工場などは3,000円から4,000円、ディーラーでは10,000円近くかかることもあります。
ただし、これらの費用はあくまでも目安なので、正確な交換費用はショップに確認してください。
ブレーキフルードを交換しないリスク
ブレーキフルードを交換しないと、ブレーキが効かなくなるというリスクがあります。
ブレーキフルードはグリコール・エーテルが主成分となっているのですが、この成分は湿気を吸収しやすいため、長く使用しているとオイル内に水分が含まれるようになります。
水分の沸点は100℃なので、交換しないままだとオイルの沸点が低くなってしまいます。
沸点が低いと、ブレーキをかけたときに気泡が発生して油圧を吸収してしまうので、オイルによる伝達効率が低下することでブレーキペダルの踏み応えがなくなる「ペーパーロック」というトラブルが引き起こされるのです。
「ペーパーロック」現象が起こると、最悪の場合ブレーキが利かなくなるので、交換を怠らないようにしましょう。
まとめ
エンジンオイルの交換は、ディーラーや修理工場などが知らせてくれることもありますが、「そろそろブレーキフルードを交換した方がいい」というお知らせは基本的に来ません。
そのため、劣化に気がつかず、ブレーキに異常が出て初めて交換の必要性を知るということもあります。
ブレーキフルードは、車の使用頻度に関係なく、時間とともに劣化をするものなので適切なタイミングで交換するのがベストです。
オイル交換はある程度の費用がかかりますが、大事なブレーキ性能に関わるものなので自力での交換はおすすめできません。
安心して走行するためにも、交換はきちんとプロに依頼しましょう。