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ブレーキのエア噛みとは?症状・原因・対処法を解説
2024年05月07日
「ブレーキを踏んでも車が止まらなかった」と聞いても、「アクセルと踏み間違えたのだろう」と思う方が多いかもしれません。
確かに、アクセルとブレーキの踏み間違えによる事故は多発していますが、実は本当にブレーキを踏んでも「ブレーキのエア噛み」のせいで利かないことがあるのです。
ここでは、「ブレーキのエア噛み」という現象について詳しく解説していきます。
ブレーキのエア噛みとは
ブレーキのエア噛みとは、ブレーキを機能させるために圧力を伝達するブレーキフルードという液体に気泡が発生してしまう症状です。
「気泡がなぜブレーキの機能に関係するのか」という疑問を持つ方もいるでしょう。
ブレーキフルードに気泡が発生すると、ブレーキを踏んでも、ブレーキパッドへの圧力を伝達する時間にロスが出てしまいます。
ちょっと難しいですが、気泡がクッションのような役割をすることで、圧力の伝達が遅くなる、つまりブレーキの利きが悪くなってしまうのです。
ブレーキのエア噛みの症状
ブレーキのエア噛みが起こった場合、速やかに点検修理をしてもらう必要があります。そのためには、どのような症状が起こるのかを知っておくといいでしょう。
エア噛みの認識がないとしても、車を止めたり減速したりするときに以下のような症状がないかチェックしておきましょう。
ブレーキペダルが軽い
人の感覚は個人差があるため一概には言えませんが、エア噛みが起こると、ブレーキを踏んでも軽く感じることが多いようです。
もともと、ブレーキはアクセルよりも軟らかい踏み心地なので、軽いと言っても分かりづらいかもしれませんが、ペダルを踏んだときに「ふわっ」と感じたらエア噛みの可能性があります。
強く踏んでも固くならない
基本的に、ペダルを思い切り踏むと一定の場所で固い踏み心地になります。
しかし、エア噛みが起こっていると、一番奥までペダルを踏み込んでも固くなりません。
もちろんそれ以上踏み込むことはできないのですが、例えると風船を踏みつけているような感じで、正常な状態で踏むブレーキペダルとはまったく感触が異なるという症状が出ることもあります。
ブレーキのエア噛みが起こる原因
ブレーキのエア噛みが起こると、ブレーキの利きが悪くなったり、最悪の場合停車・減速ができなくなったりするので、そうならないためには原因を知っておくことも重要です。
エア噛みは運転技術のせいで起こるわけではありませんが、まれにメンテナンス不足のせいで起こることもあるため、原因をしっかり把握しておきましょう。
ブレーキオイルの交換を怠っている
2年以上ブレーキオイルを交換していない場合は、それがエア噛みの原因になっている可能性があります。
ブレーキをかけると摩擦が起こるため、ブレーキオイルの沸点に達してしまい、沸騰することがあります。
沸騰をすると気泡ができるので、長期間オイル交換をしていないと気泡がオイル内に溜まってしまい、その気泡によってエア噛みが起こることがあるのです。
ブレーキオイルの交換は車検の項目に入っておらず、料金も安いものではないため交換しない人も多いようですが、2年に1回は車検のタイミングで交換することをおすすめします。
オーバーホール時のエア抜き不足
点検などでブレーキのオーバーホールをした際、エア抜きの工程が雑だとエア噛みが起こります。
オーバーホールというのは部品の分解組み立てをする作業で、ブレーキの点検などでオーバーホールをすると、オイル内に空気が混ざってしまいます。
そのため、オーバーホール後には「エア抜き」という工程があるのですが、この工程が不十分だとエアが内部に残ってしまうのです。
ブレーキのエア噛みが起こったときの対処法
ブレーキのエア噛みは、エア抜き(ブレーキフルードの交換)をすれば改善されます。
ただし、交換するにはタイヤを外したり、ビニールホースに逆流防止弁をつけたりしなければならないため、専門的な技術や知識を持っていない場合は自分でするのは難しいでしょう。
また、ブレーキは車の安全性を守ってくれるパーツなので、失敗がないように修理工場などで点検をするようにしてください。
まとめ
ブレーキのエア噛みは頻繁に起こることではありません。
しかし、100%起こらないという保証もないので、「もしも」のときに備えて、エアを噛んだときの症状や対処法はしっかり頭に入れておいてください。
少しでも知識を持っておけば、「ブレーキが利かなくなる」という最悪の事態を回避できます。
もちろん、どういった症状が起こるのかを頭で分かっていても、実際にその症状がエア噛みかどうか確信できないこともあるでしょう。
しかし、確信がないとしても車の安全性に関わることなので、「エア噛みかな?」と思ったら放置せずに専門業者に点検・修理してもらいましょう。