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ブレーキパッドの適正温度とは?温度を超えるとどうなる?
2024年05月17日
ブレーキパッドは、摩擦抵抗によって車を止める役割を持っているパーツです。
摩擦抵抗が起こると熱が発生するため、パッドはその熱に耐えられるように作られています。
とはいえ、耐えられる温度には限界があり、それを超えるとブレーキのトラブルが発生するので要注意です。
ここでは、ブレーキパッドの適正温度や高熱が発生したときのトラブルなどを解説していきます。
ブレーキパッドとは?
ブレーキパッドは、ブレーキローターとの摩擦抵抗によってタイヤの回転を遅くする、もしくは止める役割を持っているブレーキパーツの一つです。
ブレーキの構造は、ディスクブレーキとドラムブレーキの2種類がありますが、ブレーキパッドはディスクブレーキに搭載されており、タイヤの回転を制御するパーツとして働いています。
ブレーキをかけるには他のパーツの働きも必要ですが、直接タイヤの回転に関わるのはパッドなので、トラブルや劣化などがある場合はすぐに交換が必要です。
ブレーキパッドの適正温度は何度?
ブレーキパッドは、ブレーキローターに押しつけられて摩擦抵抗を起こすことでタイヤの回転を制御します。
摩擦が起きると高熱が発生しますが、どんなに高温でも問題ないというわけではありません。
適正温度を超えてしまうと、ブレーキの性能に問題が起こってしまうため、あらかじめ適正温度を把握しておく必要があります。
パッドの種類によって適正温度は異なりますが、普通車用の一般的な純正の場合は約100℃が適正となっています。
しかし、適正温度はあくまでも指標となるものであり、この温度に達したら自動的に下げるなどの設備は搭載されていません。
運転の仕方や道路環境によって温度は上がってしまうことがあるので、十分注意して走行しましょう。
ブレーキパッドが適正温度を超えるとどうなる?
ブレーキパッドが適正温度を超えると、「フェード現象」が起こることがあります。
フェード現象は、下り坂などでブレーキを踏み続けたりしたときに、摩擦材の熱が適正を超えてしまうことでブレーキが効かなくなる現象です。
ブレーキを踏み続けたり連続で何回も使ったりすると、パッドがどんどん加熱されてしまい、摩擦材が分解してガス化します。
このガスがパッドとローターの間に入り込むと、摩擦が起きづらくなり結果的にブレーキが利きづらい、もしくは利かないという現象が起こるのです。
ペーパーロック現象との違い
ペーパーロック現象も、フェード現象と同じくブレーキが効かなくなってしまう現象ですが原因がまったく異なります。
フェード現象はブレーキパッドへの過度な負荷によって高熱が発生し、摩擦抵抗が起こらなくなることで制動力が失われます。
一方、ペーパーロック現象は、ブレーキフルードというオイルが沸騰して気泡が発生し、この気泡によりフットブレーキが利かなくなることが原因です。
ただし、原因は異なるものの、どちらの対処法も、現象が発生した場合はブレーキが冷却するのを待たなければいけないということは共通しています。
ブレーキパッドの温度を上げないようにするには
ブレーキパッドの適正温度というのは、当たり前ですが走行中に測ることはできません。
そのため、突然フェード現象が起こってしまうのですが、温度が上がらないようにする対策を知っておけば、フェード現象のリスクを軽減できます。
ここでは、温度を上げないようにする2つの対策を紹介します。
下り坂ではエンジンブレーキを活用する
下り坂はどうしてもブレーキをかける頻度が高く、運転技術によってはブレーキを踏み続けてしまうこともあるかもしれません。
下り坂走行はフェード現象が起こりやすいので、エンジンブレーキを併用することが対策となります。
車は、低いギアにシフトチェンジをすると、タイヤとエンジンの回転間に抵抗が起こることで、エンジンの回転数が落ちて減速します。
これがエンジンブレーキといわれるもので、アクセルを離す、もしくはオーバードライブを活用するとフットブレーキを使わなくても車を減速できます。
エンジンブレーキをうまく使えば、フットブレーキはサポート的に使うだけで済むので、フェード現象の発生を防ぐことができます。
耐フェード性が高いブレーキパッドに交換する
ブレーキパッドにはさまざまな種類があり、スペックも製品ごとに異なります。
そのため、中には耐フェード性が低いものもあるので、こういったブレーキパッドを使っているようであれば交換するというのも一つの対策です。
ハイグレードタイプのパッドは耐フェード性が高く、熱が上がりづらいので、峠を走ることが多い、エンジンブレーキとの使い分けが苦手という方は、耐フェード性が高いものに交換するといいでしょう。
まとめ
ブレーキパッドは、使う度に消耗するのはもちろん、摩擦による熱の負担がかかるので、安全な走行のためにはこまめなメンテナンスが必要になります。
とはいえ、簡単に目視で確認できるパーツではないので、できるだけ熱による負担がかからないよう耐フェード性が高いものを装着するのがベストです。
現時点でトラブルがないとしても、ブレーキパッド交換をせずに乗り続けているのであれば、トラブルが起こる前に交換を検討しておくことをおすすめします。
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